BSAのウェブサイト等で公表されているソフトウェアの不正利用に関してBSAの会員企業が証拠保全の申立てを行った事例をご紹介します(BSAについては「ソフトウェア不正利用の損害賠償対応業務」というページでご説明していますのでご参照ください)。
このページの目次
1.福岡県小倉市所在のメーカーの事例
- 証拠保全の申立時期
2022年1月 - 裁判所
福岡地方裁判所小倉支部 - 権利者(会員企業)
オートデスク インク
マイクロソフト コーポレーション - 事案の概要
BSAは相手先であるメーカーがオートデスクの製品を違法にコピーしているという情報を事前に入手しており、実際に、証拠保全において裁判所が検証手続きを行った結果、上記メーカーのパソコンに複数の非正規のオートデスクの製品が存在しており、さらにBSAが上記メーカーに調査を依頼した直後に多くのオートデスクの製品が削除された履歴があることが確認されたとのことです。
なお、オートデスク製品の複製・削除状況を検証する際には、オートデスクが提供したスクリプトプログラムを用いて、相手方のパソコンにおけるオートデスク製品のコピー状況や履歴を調査しました。
2.宮城県所在の設計会社の事例
- 証拠保全の申立時期
2017年4月 - 裁判所
宮城県内の裁判所 - 権利者(会員企業)
オートデスク インク
マイクロソフト コーポレーション - 事案の概要
BSAの通報窓口にソフトウェアの無断複製が行われているという情報の提供があり、実際に、証拠保全において裁判所が検証手続きを行った結果、上記権利者のソフトウェアが無断複製が行われており、一部のソフトウェアについては商用利用が認められていないアカデミックパックを使用した無断複製が行われていることが確認されました。
なお、オートデスク製品の複製・削除状況を検証する際には、オートデスクが作成したインストール状況を調べるプログラムを使用して検証が実施されました。 - 証拠保全後の状況
証拠保全後に和解交渉が行われた結果、2017年8月に正規品価格の合計額を上回る総額3000万円で和解が成立しました。
3.熊本県所在の機械製造業者の事例
- 証拠保全の申立時期
2017年4月 - 裁判所
熊本地方裁判所 - 権利者(会員企業)
オートデスク インク - 事案の概要
BSAの通報窓口にソフトウェアの無断複製が行われているという情報の提供があったため、上記権利者が上記業者に対してソフトウェアのインストール状況の調査を依頼しましたが、同製造業者の調査結果はBSAに寄せられた情報と大幅に乖離するものであったため、上記権利者は証拠保全の申立を行いました。
なお、オートデスク製品の複製・削除状況を検証する際には、オートデスクが作成したインストール状況を調べるプログラムを使用して検証が実施されました。
4.三重県所在の会社の事例
- 証拠保全の申立時期
2016年2月 - 裁判所
津地方裁判所 - 権利者(会員企業)
オートデスク インク
アドビ システムズ インコーポレイテッド
マイクロソフト コーポレーション - 事案の概要
BSAの通報窓口に「AutoCAD」、「AutoCAD LT」、「Microsoft Office」、「Adobe Acrobat」ソフトウェアの無断複製が行われているという情報の提供があったことを端緒として、上記権利者が証拠保全の申立を行いました。
5.京都府所在の酒類販売業者の事例
- 証拠保全の申立時期
2015年6月 - 裁判所
京都地方裁判所 - 権利者(会員企業)
アドビ システムズ インコーポレイテッド
マイクロソフト コーポレーション - 事案の概要
BSAの通報窓口にソフトウェアの無断複製が行われているという情報の提供があったため、上記権利者が上記業者に対してソフトウェアのインストール状況の調査を依頼しましたが、上記業者は一切回答しなかったため、上記権利者は証拠保全の申立を行いました。
私は、これまでBSA対応に関する案件に多く携わった経験があり、BSAへの対応に関するご相談をお受けしたり、代理人としてBSAとの交渉を行うことが可能です。ご相談をご希望される場合は、問い合わせフォームにてお気軽にお問い合わせください。