よくある広告トラブル-不実証広告

不実証広告規制とは?

景品表示法は、商品やサービスの品質等について実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示したり、競争業者のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示したりする行為(優良誤認表示)を禁止しています。

そして、優良誤認表示については、事業者が消費者庁から根拠資料の提出を求められた後15日以内に「合理的な根拠資料」を提出できない場合は、優良誤認表示とみなされてしまうというルール(不実証広告規制)があります。

そのため、優良誤認表示に該当するか否の判断においては、消費者庁が優良誤認表示であることを示す根拠を示す必要があるわけではなく、事業者側が優良誤認表示でないことを示す「合理的な根拠資料」を用意しておく必要があります。

「合理的な根拠資料」とは?

消費者庁が定めるガイドラインによると、「合理的な根拠資料」と認められるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

①提出資料が客観的に実証された内容のものであること

①学術界・産業界において一般的に認められた方法による試験調査で得られた結果や②専門家・専門機関の見解(特定の専門家・専門機関による特異な見解ではなく、その専門分野において一般的に認められている見解)は、客観的に実証されたものと認められます。

他方、③自社の従業員やその家族の体験談を収集して行う調査や④(体験談を送付しなかった利用者の意見を調査することなく)一部の利用者から寄せられた体験談のみをサンプル母体とした調査は、客観的に実証されたものとは認められません。

②表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

ある商品について特定の条件下で効果があることが試験で実証されているにもかかわらず、当該商品の広告であらゆる条件下で効果があるかのような表示をした場合のように、表示された効果と提出資料(試験結果)によって実証された内容が適切に対応していないときには「合理的な根拠資料」とは認められません。

不実証広告規制が適用される表示の具体例は?

消費者庁のガイドラインにおいて、健康食品、化粧品、健康雑貨(美容器具)等の健康・美容関連商品の広告において不実証広告規制に基づき合理的な根拠資料の提出を求める表示の具体例として、たとえば以下の表示が挙げられています。

茶の広告

「4.5㎏~10㎏減量がラクラク!!!」

「食前に○○茶を飲む。すると、その11種類の天然植物の成分が後から入ってくる食物中の脂肪分が体に取り込まれないように胃に薄い保護膜を作る。」

化粧品の広告

「ニキビ等どんな肌のトラブルも、リンゴの皮をむくようにスルリと優しくムキ取ります。」

「3週間後には顔中にあったニキビが全部ムキ取れて消滅し、今ではすっきりスベスベ肌!」

長身機の広告

「○○を使用すると2ミリから3ミリ、3ミリから6ミリ、6ミリから1センチ、1センチから3センチというように、短い期間にすくすく伸びる。」

不実証広告規制について弁護士に相談するメリットは?

商品の広告を行う際には、優良誤認表示でないことを示す「合理的な根拠資料」があること(具体的には、①客観的に効果が実証された資料があること及び②その資料と表示が適切に対応していること)を確認することが不可欠ですが、「合理的な根拠資料」であるかの判断基準が明確ではないため、自社で適切にチェックをすることは容易ではありません。

そのため、弁護士に相談して「合理的な根拠資料」が揃っているかリーガルチェックを受けておくことが重要になります。

keyboard_arrow_up

0368201161 問い合わせバナー